オーストリア

ウィーン市立音楽芸術大学【声楽科修士4コース入試内容】

みなさんこんにちはTagです。今回は「オーストリアへ留学したいけどどこを受験しよう?」と迷っている皆さんにウィーン市立音楽芸術大学の情報をお届けします。大学の特徴や入試内容などが記載されているので留学先の大学を選ぶ参考になれば嬉しいです。

この記事は2022420日時点の情報です。

オーストリア音楽大学一覧みなさんこんにちはTagです。「音楽留学をしたい!」そう思った時、まず決めなければいけないのはどの国のどの大学に行きたいかです。今日はオ...

Contents

概要


ウィーン市立音楽芸術大学(Musik und Kunst Privatuniversität der Stadt Wien)通称MUKはウィーン国立音楽大学と同様オーストリアの首都ウィーンにある総合音楽大学です。1920年代に設立されたウィーン私立音楽院が2005年に大学認定を受けた歴史のある若い大学です。MUKはウィーン市が所有する唯一の大学でもあります。また、MUKは、世界中から音楽家、舞台芸術家、研究者が集まり、国際的な雰囲気、評価、革新の中で、芸術と学問の発展の機会の提供を目的としています。

ウェブサイト: Musik und Kunst Privatuniversität der Stadt Wien

 

アクセス

住所: Singerstraße 26, 1010 Wien

地下鉄(U1)Stephansplatz駅から徒歩6分
地下鉄(U3Stubentor駅から徒歩5

ウィーン市の音楽芸術私立大学は、ウィーンの非常に中心的な場所にあります。これは、学際的な性格を持つ芸術大学にとって最良の環境です。ウィーン国立歌劇場、楽友協会、コンツェルトハウスなどの世界的に有名な文化施設がすぐ近くにあります。MUKは楽器や歌など専攻科によって校舎が異なるため注意が必要です。

 

 

コース

ウィーン市立音楽芸術大学には修士号取得のために4つのコースが準備されています。

Sologesang(声楽科-修士)

独唱の修士号プログラムの目的は、理論的考察と演奏の実践を結びつけることです。プログラム終了時には、幅広い声楽ジャンルと時代区分を最高の芸術レベルで解釈できるようになることが求められます。プロとして、また個人として、幅広い声楽ジャンルと時代様式を最高の芸術レベルで解釈できるようになることです。

(ウェブサイトを参考・翻訳)

 

Lied und Oratorium (リート・オラトリオ科-修士)

このプログラムは、異なる言語による歌曲とオラトリオを区別して解釈することに主眼を置いています。楽曲分析、文章理解、詩学、朗読の検討が推奨されます。

芸術的な授業は、歌の先生やコレペティションの先生による個人授業と、グループ授業とのバランスのとれた関係で構成されています。特に、個人の表現力を十分に生かしたコミュニケーション能力の向上と個性の発揮に配慮しています。

(ウェブサイトを参考・翻訳)

 

Oper(オペラ科-修士)

オペラの修士課程では、オペラの芸術形式とその伝統を把握し保存すると同時に、音楽劇における現代の発展を認識し検証することに取り組んでいます。

一次資料と二次資料の知識は、様式への警戒心と流暢さをもたらし、その後、音楽的・音楽劇的な発展を集中的に行い、個人のソロレパートリー、アンサンブル、異なる形式や異なるディレクターとのオペラ作品全体を公演しています。

また、ドイツ語、特にウィーン・オーストリアのレパートリー(モーツァルトから古典オペレッタまで)に重点を置いています。

(ウェブサイトを参考・翻訳)

 

Gesang 【Alte Musik】(古楽科-修士)

声楽専攻(古楽)では、あらゆる時代的様式を深く研究することに加え、演奏の機会、オーケストラの演奏、室内楽のリサイタルを提供しています。ワークショップ、マスタークラス、セミナーなど、さまざまな最新のトピックを取り入れた学習プログラムを提供しています。

(ウェブサイトを参考・翻訳)

 

教員一覧

オーストリアやドイツの大学ではほとんどの大学のウェブサイトに教員の連絡先が記載されています。こちらを参考にVorsingenなど申し込んでみてください。

Sologesang教員一覧
Lied und Oratorium教員一覧
Oper教員一覧
Gesang (Alte Musik)教員一覧

受験前に必ず受けておきたいVorsingenを解説Vorsingen / 受験準備 / メール連絡 / Vorsingen用メール例文 / 志望校に合格できる可能性があるかを知れる貴重な機会 / 合格の可能性を高める / Tagの音楽留学の大学記事では教員一覧のリンクを付けているので簡単に教授の連絡先に辿り着くことができます...

 

入試曲目・内容

Sologesang

・アリア4曲(オペラ・オペレッタから2曲以上、オラトリオから1曲以上、ドイツ語のアリア1曲以上)
・歌曲4曲(3つの異なる時代様式から選曲すること、少なくとも2つの異なる言語)

プログラム全体のうち1作品は、調性言語が現代音楽の様式範囲に属する20/21世紀の作曲家によるものである必要があります。またオラトリオを除くすべての作品は、暗譜で演奏すること。

Lied und Oratorium

・歌曲6曲(3つの異なる時代様式から選曲、少なくともシューベルトの1曲を含めること)
・オラトリオ、ミサ曲、カンタータよりアリア2曲

プログラム全体のうち1作品は、調性言語が現代音楽の様式範囲に属する20/21世紀の作曲家によるものである必要があります。歌曲はすべて暗譜で演奏すること。

Oper

・アリア5曲(3つの異なる言語で、そのうち1つはドイツ語)

プログラム全体のうち1作品は、調性言語が現代音楽の様式範囲に属する20/21世紀の作曲家によるものである必要があります。すべて暗譜で演奏すること。

 

内容

1次: ビデオ審査
・試験曲を1曲ずつ録画し提出
・英語またはドイツ語による自己紹介ビデオ(最大2分)

以下の点について話すこと
・氏名,出身地,音楽経験,声楽のトレーニング歴,歌以外の音楽トレーニング歴
・自分にとって歌とは何か?
・歌で目指している将来の目標は?
・MUKを志望校として選んだ理由は何ですか?
・その他の興味

2次: 現地での実技試験
・提出した試験プログラムから演奏
・面接

試験プログラムの楽譜を用意すること(大学側がコレペティトゥーアを用意しています)

Gesang (Alte Musik)

1) 少なくとも3つのスタイルの音楽的要求の高い代表的なプログラムから、最大25分の作品を選んで演奏すること。

下記の作品を用意すること
・ヨハン・セバスティアン・バッハのアリア1曲
・タリア初期バロックの1作品
・ヘンデルのアリアの装飾付きダ・カーポ1曲、または自作のカデンツァ1曲

2)試験プログラムの中から自分で選んだ作品の、解釈(不協和音の扱い、テンポの選択、フレージング、図形など)を考慮した作曲的分析。選んだ作品は、6部コピーして審査員に提出する。
3)チェンバロによる簡単なカデンツァの実現

内容

1次: 略歴(語学力を含む)、志望動機書、レパートリーリスト、芸術審査プログラムを提出すること。
・略歴:応募者は、資格、(語学)スキル、主な活動分野の概要を書面で提出すること。
・学習意欲:応募者の個人的な期待や目標について述べる。さらに、どのような芸術的な焦点を持っているのか、あるいは目指しているのかについても説明する必要があります。
・2次のための試験プログラム

2次: 実技試験
2次試験では、応募者の芸術的スキルまたは芸術的レベルを示す必要があります。プログラムは応募者が独自に作成するもので、芸術的資質についてできるだけ有意義な印象を与えるものでなければなりません。

3次: 面接
委員会は、応募者と試験部分の結果について話し合い、考察し、個人と芸術の可能性、そして個人の目的とコースへの適合性を確認します。

 

MUKは他の大学と違い受験が一年に一度(大体14月の間)しかありません。また受験するコースによって書類提出の締め切りや試験日が異なるので受験を検討している方は小まめにウェブサイトをチェックすることをおすすめします。

 

語学証明

ウィーン市立音楽芸術大学ではドイツ語を母国語としない受験者は語学証明を提出しなければいけません。入学試験時は語学の証明は必要ありませんが、修士号の場合入学時にB1レベルの語学証明が必要です。大学が証明書として認めるのは以下のものです。

・ÖSD zertifiziert
・Goethe-Institut

ドイツの音楽大学に比べて語学証明の難易度は低く、入学試験時に語学証明が必要ないのは驚きです。とはいえ試験は英語またはドイツ語なので英語が話せる方以外は早めに準備するのがいいでしょう。日本で証明書を取得する場合はGoethe-Institutがおすすめです。

学費

授業料はオーストリア市民またはEU/EEA市民は学期あたり330€。日本の学生は1学期(半年)あたり1,100€。

日本は第3国に当たるため学費は年間で2,200€となります。1€=130円とすると1年間の学費は286,000円。約30万円ほどかかると考えてよいでしょう。

学費は他のオーストリアの大学の場合年間で約20万円のため、10万円ほど高くなっています。しかし日本の音楽大学の授業料を考えれば決して高額ではないでしょう。とはいえ学費は高額でないとしても物価や家賃が高いため簡単に比較はできませんが…

まとめ


いかがだったでしょうか?今回はウィーン市立音楽芸術大学の情報をお届けしました。この記事が受験校を選ぶ際にみなさんのお役に立てば嬉しいです。また今回は受験申し込みに関する情報(必要書類など)は省いています。志望校が決定し、実際に受験する際はご自身で大学のウェブサイトを確認してみてください。

schönen Tag noch!