ドイツ

ミュンヘン音楽・演劇大学【声楽科修士3コース入試内容】

みなさんこんにちはTagです。今回は「ドイツへ留学したいけどどこを受験しよう?」と迷っている皆さんへミュンヘン音楽・演劇大学(Hochschule für Musik und Theater München)の情報をお届けします。大学の特徴や入試内容などが記載されているので留学先の大学を選ぶ参考になれば嬉しいです。

※この記事は2022年4月時点の情報です。

Contents

概要

ミュンヘン音楽演劇大学は、ドイツで最も歴史と伝統のある音楽・演劇の専門教育機関のひとつです。また、ドイツの文化系大学としては最大規模の大学です。1846年に王立音楽院として設立され、1998年から現在の名称になりました。大学は11の研究所とアカデミーで、すべての芸術的および教育的な音楽の専門家とダンス、文化と音楽の管理、音楽ジャーナリズム、演劇の専門家のトレーニングを提供しています。

ウェブサイト: Hochschule für Musik und Theater München

僕も一度この大学を訪問したことがありますが、まず驚いたのは校舎の美しさでした。調べたところこの校舎は1938年にチェコスロバキアの併合に関する協定が調印された歴史的な場所でもあるようです。大学の周辺には多数の美術館や教会、徒歩15分のところにはレジデンツもあります。音楽以外にも様々な芸術や多様な文化に触れることができます。

 

アクセス

住所:
Arcisstraße 12 80333 München

最寄り駅:
地下鉄(U2)

Königsplatz駅から徒歩4分

路面電車(27,28,N27)
Karolinenplatz電停から3分

大学は街の中心部に位置し、ミュンヘン中央駅からのアクセスも良好です。

 

コース

ミュンヘン音楽・演劇大学には修士号取得のために3つのコースが準備されています。

・Konzertgesang-MA(コンサート科-修士)

・Musiktheater / Operngesang-MA(オペラ科-修士)

・Liedgestaltung-MA(歌曲創作科-修士)

この後「入試曲目・内容」で詳しく解説していますが、ミュンヘン音楽・演劇大学は他のドイツの音楽大学に比べて曲数や時代、作曲家の指定がとても細かい印象です。受験を希望する場合は早めに受験プログラムを作成し、練習に取り組むことをおすすめします。またLiedgestaltung-MAは他の大学にはあまり見られない歌曲を専門的に学べるコースです。このコースの受験課題は16曲(実際に全部演奏するわけではありません)とこれまで見てきた音楽大学の中でも最も多い曲数となっています。

 

教員一覧

オーストリアやドイツの大学ではほとんどの大学のウェブサイトに教員の連絡先が記載されています。こちらを参考にVorsingenなど申し込んでみてください。

Gesang科教員一覧
Liedgestaltung科教員一覧

受験前に必ず受けておきたいVorsingenを解説Vorsingen / 受験準備 / メール連絡 / Vorsingen用メール例文 / 志望校に合格できる可能性があるかを知れる貴重な機会 / 合格の可能性を高める / Tagの音楽留学の大学記事では教員一覧のリンクを付けているので簡単に教授の連絡先に辿り着くことができます...

 

入試曲目・内容

Konzertgesang-MA

・J.S.バッハのレチタティーヴォ付きのアリア1曲及びバロック時代のアリア1曲
・古典派のオラトリオアリア1曲
・ロマン派のオラトリオアリア1曲
・古典派の歌曲2曲
・F.シューベルトの歌曲2曲
・シューベルト以外のロマン派の歌曲4曲(最低1曲、最大2曲までフランス歌曲を含めること)
・近代曲2曲(1曲は1980年以降のもの)
・オペラアリア1曲

歌曲とアリアは暗譜で演奏すること

内容

1次: ビデオ審査
自由に選択した曲を提出。提出したプログラムに一致させなくてもよい。

2次: 現地での実技試験
提出したプログラムから審査員が指定した曲を演奏(所要時間5~20分)

 

Musiktheater / Operngesang-MA

1,オペラアリア6曲(少なくとも3つの言語、時代様式のもの)

W.A.モーツァルトのオペラアリア1曲
オペレッタ、サルスエラ、ミュージカル、シャンソンから少なくとも1曲
ドイツ語のアリアを少なくとも1曲

2,ドイツ語による詩またはモノローグ
4段以上の詩、またはドラマのモノローグ

内容

1次: アリア1曲を応募者が選択し演奏。
(審査員からさらにアリアを指定される可能性もある)

2次: グループと個人で、音楽と情景(演技、動き、話し方)の両面からワークショップを行う。作品の内容は、応募者のプログラムに基づいて決定される。ワークショップで取り組んだ内容を考慮した最終プレゼンテーション。(所要時間 5分~30分)

 

Liedgestaltung-MA

・古典派の歌曲2曲
・シューベルトの歌曲4曲
・ロマン派の歌曲4曲
・フランス歌曲を含めた後期ロマン派の歌曲4曲
・20,21世紀の自由音感または無調の歌曲2曲

内容

1次: ビデオ審査
自由に選択した曲を提出。提出したプログラムに一致させなくてもよい。

2次: 現地での実技試験
提出したプログラムから審査員が指定した曲を演奏(所要時間約15分)

 

語学証明

ドイツ語圏以外の国から出願する外国人およびドイツ語を母国語としないドイツ人は、選択した学位プログラムに必要な資格に加えて、学位プログラムへの入学に必要なドイツ語能力(B2レベル)を有していることを証明する書類を提出しなければなりません。ミュンヘン音楽・演劇大学で認められる語学証明は以下のものになります。

・TestDaF – 4 x TDN 3 (Test Deutsch als Fremdsprache)
・DSD II – Niveau 4 x B2 (Deutsches Sprachdiplom der Kultusministerkonferenz Stufe 2)
・GOETHE – Zertifikat B2
・telc Deutsch B2
・ÖSD Zertifikat B2 (Österreichisches Sprachdiplom Deutsch)

日本でB2の証明書を取得したい方はGOETHE – Zertifikat B2をおすすめします。

学費

学費は無料ですが半年ごとに学期費として147 €かかります。内訳としては基本学期費が75€、ゼメスターチケットの72€となっています。ゼメスターチケットとは公共交通機関(バス、Sバーン、Uバーンなど)が乗り放題になるチケットです。1€=130円とすると年間の学費は約40,000円となります。

現在はこの金額ですがこれから上がる可能性もあるので受験の際は改めてホームページで確認してみてください。それにしても日本の音楽大学の学費からは信じられない額です。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?今回はミュンヘン音楽・演劇大学の情報をお届けしました。ミュンヘンはベルリン、ハンブルクに次いでドイツでは3番目に大きな都市であり、市域人口は140万人を超えます。できることならドイツを代表するこの世界的な都市で世界最高水準の音楽教育を受けてみたいです。

この記事が受験校を選ぶ際にみなさんのお役に立てば嬉しいです。また今回は受験申し込みに関する情報(必要書類など)は省いています。志望校が決定し、実際に受験する際はご自身で大学のウェブサイトを確認してみてください。

schönen Tag noch!