留学

【体験談】モーツァルテウムGesang科を受験してきた

みなさんこんにちはTagです。今回は「ザルツブルク・モーツァルテウム大学」を受験してきたのでその体験談をお届けしたいと思います。モーツァルテウムの受験を考えている方のお役に立てたら嬉しいです。

Contents

概要

ザルツブルク・モーツァルテウム大学(Universität Mozarteum Salzburg)はオーストリア、ザルツブルク州にある総合芸術大学です。その歴史は1841年にさかのぼります。ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの死後50周年にモーツァルテウムがザルツブルクに設立され、音楽学校、音楽院を経て1970年に大学認定されました。あのヘルベルト・フォン・カラヤンの出身校でもあります。ザルツブルク・モーツァルテウム大学は芸術と芸術的実践の創造と解釈、考察とコミュニケーションに本質的な貢献をすることを使命としています。

詳しいコースや受験内容に関してはこちらの記事をご覧ください。

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ウェブサイト: Universität Mozarteum Salzburg

 

申し込み

3つある修士のコースで僕が選択したのはGesang科でした。申し込みは大学のウェブサイトから行いました。提出した書類は以下のものです。

・学部の卒業証明書(英語)
・学部の成績証明書(英語)
・ゲーテの語学証明書(取得から2年以内でA2以上のもの)

オーストリア・ドイツの音楽大学では英語の証明書を提出書類として認める大学が多いですが、まれにドイツ語しかダメな場合があるので注意してください

書類はPDFでの提出が必要だったので証明書類は「scannable」というアプリでPDF化して提出しました。初めての受験手続で提出するデータが合っているのか何度も不安になりましたが、問題はありませんでした。

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書類の他にも名前など個人情報や師事したい先生、試験で演奏するプログラム、これまでの簡単な経歴を入力しました。

申し込みから3週間ほどで書類チェックが完了したとメールを受け、現地での受験が決まりました。改めて試験に参加するかの意思と伴奏者の有無を返信しました。伴奏者がいない場合は大学側で伴奏者を用意してくれるので遠方からの受験者も安心です。僕は大学の伴奏者をお願いしました。

また毎年行れているかはわかりませんが、この時点で試験で歌うプログラムの変更が可能でした。(受験者から曲を変更したいという声が多かったようです)。

試験1週間前に伴奏者からメールで連絡があり、1次で何を歌いたいか(歌曲の場合は調性も)を聞かれました。メールでのやり取りのみで楽譜を郵送したりする必要はありませんでした。

 

1次試験

受験日当日は受験者ごとに集合時間が振り分けられており、集合は声楽科のキャンパス(Schwarzstraße 26, 5020 Salzburg) でした。近くに本校舎があるので間違えないよう気を付けて下さい。

受付では顔写真付きの証明書(パスポートなど)とワクチンパスポートの提出が求められました。無事に受付を済ますとリハーサル時間と試験の開始時間が知らされます。

リハーサルでは約25分間声出しや伴奏者と合わせることができました。事前に最初に歌う曲をメールできていたのでリハーサルはとてもスムーズでした。

とうとう本番、試験は本校舎のホールで行われました。最初に挨拶をして何を演奏したいかを聞かれてスタート。ウェブサイトには1次は歌曲とアリアを1曲ずつと記載されていますが、受験者が多いからなのか演奏は1曲のみでした。

あっという間に一次試験が終わり、結果はその日の夜にメールで知らされるとのことでした。

そこから待てど暮らせどメールが来ず、「きっと落ちたからメール来ないんだ!もう寝よう!」と思った所で1次試験突破のメールが!!

メールが来た時間は23時半過ぎ。きっと何らかのトラブルがあったのでしょうが、次の日歌うこちらの身にもなってほしいものです。

 

2次試験

一次試験突破のメールには次の日の集合時間も記載されており、集合場所も1次と同様でした。受付を後は再び伴奏者とのリハーサル。

伴奏者から2次も最初は歌う曲を選択でき、その後審査員から指定された曲を歌う流れだと説明を受け、リハーサルが始まりました。2次は参加者が絞られているためリハーサル時間も前日より長く40分ほどでした。

リハーサル後いざ本番へ、前日と同じホールで10人程の教授陣の前で演奏しました。流れも1次試験と同様で最初に挨拶をし、何を歌いたいか聞かれて演奏開始。

Tag
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演奏している中、教授たちが話し合ったりしているのが1次と違い印象的でした。

 

1曲目の演奏が終わると次の曲が指定され、結果的には2曲演奏しました。モーツァルテウムの学部を卒業して同大学院へ進学したい人(いわゆる内部受験者)も一緒に試験を受けており、その人たちは2次も1曲で終わっているパターンが多かったです。

試験を受けた感想としては正直自分が場違いに感じるくらい周りのレベルが高い!!!
我ながらよく2次まで残れたなと感動するレベルでした(笑)

結果は2週間~1か月後にメールで通知されるようです。あまり期待せずに待とうと思います。

 

注意点

服装

意外に気になるのは服装だと思います。受験者を見渡してみると男性はスーツ、女性は黒をメインにきれいめな服装が多かったです。特にルールは指定されておらず、男性ではジャケットとチノパンの受験者、女性ではスラっとした花柄のドレスの受験者もいました。

僕はスーツを持っていきましたが、暑かったのでジャケットなしのシャツとスラックスで受験しました。首元が苦しくなるのが嫌だったのでネクタイもしませんでした。

黒表紙

モーツァルテウムGesang科の試験の場合オラトリオアリアは楽譜を見て歌うことができるので黒表紙は用意しておきましょう。

語学証明

申し込み時にA2以上の語学証明が提出できなかった場合、大学で語学の試験を受けなければいけません。早めの語学証明取得をおすすめします。

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番外編

受験後に仲良くなった受験者と一緒に大学の学食で昼食を取りました。学食は本校舎にあり、とてもきれいで料理もおいしかったです。日本の学食に比べると料金は高めでした。

仲良くなった受験者と「昨日何時にメールが来た?」、「今日何歌った?」と先ほどまでの受験の話で盛り上がり、一瞬の学生気分を味わいました。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?僕にとって初めてのオーストリアでの音楽大学受験。数々のハプニングに見舞われつつもなんとか一つ無事に終えることができました。現地を訪れて学校の雰囲気を生で体感すると、この大学で学びたいという気持ちが強くなります。

受験者も多く、狭き門であることは間違いありませんが挑戦する価値は大いにあると思います。モーツァルテウムは語学において他の大学より緩いためそういう面では受験するだけならしやすいかもしれません。

また今後も受験の体験談も更新していきたいと思います。この記事が同じように大学受験を目指す人のお役に立てたら嬉しいです。

schönen Tag noch!