留学

【体験談】ウィーン国立音楽大学 Vocal Performance科を受験してきた

みなさんこんにちはTagです。今回は「ウィーン国立音楽大学」を受験してきたのでその体験談をお届けしたいと思います。モーツァルテウムの受験を考えている方のお役に立てたら嬉しいです。

Contents

概要

ウィーン国立音楽大学(Universität für Musik und darstellende Kunst Wien)通称MDWはオーストリアの首都ウィーン市にある音楽と舞台芸術のための総合芸術大学です。イギリスのQSが毎年作成している「世界大学ランキング」の「Performing Arts(舞台芸術)」分野で1位に輝いたこともある人気・実力共に最高レベルの大学です。個人レッスンとグループレッスンにおける教師1人あたりの監督率が4.7人というのは非常に高い水準といえます。

詳しいコースや受験内容に関してはこちらの記事をご覧ください。

ウィーン国立音楽大学【声楽科修士3コース入試内容】みなさんこんにちはTagです。今回は「オーストリアへ留学したいけどどこを受験しよう?」と迷っている声楽を学ぶ皆さんへウィーン国立音楽大学...

ウェブサイト:Universität für Musik und darstellende Kunst Wien

 

申し込み

3つある修士のコースで僕が選択したのはGesang科でした。申し込みは大学のウェブサイトから行いました。まずは申し込みのためにmdwOnlineアカウントを作成します。

コロナの影響もあってか最近はウェブサイトからの申し込みが主流のため、どの大学も受験申込時にアカウントを作成しなければならないことが多いです。

申し込みでは希望するコース(ウィーン国立音楽大学声楽科では3コース)を選択。大学側が用意した申し込みのデータ(名前など個人情報や師事したい先生、試験で演奏するプログラム等)を入力し、PDFで提出しました。

申し込みをするとその日のうちに試験への招待メールが届きました。

MDWでは大学側が伴奏者を用意してくれているので自身で伴奏者を連れていく必要はありません。

 

1次試験

受験日当日は受験者ごとに集合時間が振り分けられており、集合はシェーンブルン宮殿の近くにある声楽科のキャンパス(Penzinger Str. 7, 1140) でした。Stadtpark近くの校舎ではないので間違えないよう気を付けて下さい。

受付では顔写真付きの証明書(パスポートなど)が求められました。無事に受付を済ますと試験が行われるホールにタイムスケジュールが貼ってあるから確認するようにと指示されました。

タイムスケジュールを確認すると受験者が4つのブロックに割り振られており、1ブロックの1次→休憩→結果発表→2次、それが終わると次のブロックの1次→休憩→結果発表→2次というように試験が進んでいきました。

タイムスケジュールはあってないようなものです。1ブロックの1次試験が想定よりスムーズにいったのか2ブロック目の最初の何人かが急遽最初のブロックに組み込まれたり、書いてある時間を20分以上オーバーしていても審査が終わらなかったり、日本との違いを感じました

僕は2ブロック目だったので15時くらいに本番でしたが、4ブロック目の2次の開始時間は20時15分(きっともっと遅い)だったため、受験者それぞれ準備が大変だったと思います。

何はともあれとうとう本番、試験は校舎の2階(日本の3階)ホールで行われました。ホールには10人ほどの教授たちが机を並べて審査していました。

最初に挨拶をして何を演奏したいかを聞かれてスタート。1曲目は自身で選択することができ、2曲目は審査員に指定された曲を演奏しました。

人によって演奏曲数や時間は様々ですが、基本的に2曲という人が多かったです。

Tag
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驚いたのは伴奏者との合わせがなかったことです。ぶっつけ本番になるので最初の曲は肝心です!

 

2次試験

残念ながら2次に進むことはできませんでしたが、2次は演奏はなく面接のみが行われていたようです。

Tag
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MDWは動画審査もないので演奏は1次のみです。他の大学以上にVorsingenなどの準備が必要だと感じました。

 

注意点

服装

意外に気になるのは服装だと思います。受験者を見渡してみると男性はスーツ、女性は黒をメインにきれいめな服装が多かったです。特にルールは指定されておらず、男性ではジャケットとチノパンの受験者、女性ではシンプルな真っ赤なドレスの受験者もいました。

僕はスーツを持っていきましたが、暑かったのでジャケットなしのシャツとスラックスで受験しました。首元が苦しくなるのが嫌だったのでネクタイもしませんでした。

黒表紙

ウィーン国立音楽大学 Vocal Performance科の試験の場合オラトリオアリアは楽譜を見て歌うことができるので黒表紙は用意しておきましょう。

練習室

試験前に練習室を使用することができます。自分の順番の30分前から練習室が使えると説明を受けましたが、タイムスケジュールがあってないようなものなので自分のタイミングで受付に行き鍵を受け取りましょう。鍵の受け取りの際にも顔写真付きの身分証が必要となり、それと交換する形で練習室の鍵が手渡されます。

Tag
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僕は練習室の鍵を受け取りに行くのが早すぎて「また後で来なさい」と帰されました(笑)

 

番外編

受験日の2週間ほど前に大学から「受験応募者が多いため、改めて参加の意思があるかメールしてください」とメールがありました。さすが人気校応募者数も相当多かったのでしょう。

また試験前日に試験の開始時間が10時から12時半に変更になったりと受験スケジュールはかなり不規則に変化していました。

こういうことが毎回起きているわけではないと思いますが、受験する際にはメールチェック+αで受験当日も柔軟に動けるように試験の進み具合には注意しておきましょう。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?僕にとって2つ目のオーストリアでの音楽大学受験。今回も数々のハプニングに見舞われつつもひとまず終えることができました。あくまで僕の個人的な見解ですが、Vorsingenの重要性を痛感する受験でした。

そして学部からの内部進学者はやはり強いです。4年間MDWで学んできた実力、教授たちとのつながりなど。外部から入学を目指す受験者たちはそれを越えなければいけません。

そのためには歌の実力の次に要になるのがVorsingenです。狭き門であることは間違いありませんが、しっかりと準備をすれば挑戦する価値は大いにあると思います。

また今後も受験の体験談も更新していきたいと思います。この記事が同じように大学受験を目指す人のお役に立てたら嬉しいです。

schönen Tag noch!