留学

オーストリア・ドイツの音楽大学受験に必要な語学証明を徹底解説

みなさんこんにちはTagです。オーストリア・ドイツの音楽大学では講義は基本的にドイツ語で行われます。そのためドイツ語を母国語としない受験者は受験や入学の際、語学証明を提出しなければいけません。

そこで今日はオーストリア・ドイツの音楽大学受験に必要な語学証明について解説したいと思います。大学受験に必要不可欠な内容となっていますので忘れずにチェックしてください。

結論: 日本在住者はゲーテインスティテュートの証明書を取得しましょう

Contents

受験における語学証明

語学証明は大学によって求められる段階(レベル)や認められる機関が異なります。また、大学によっては入学試験時と入学してから一定の期間で求める語学レベルを別々に設定していることも多いです。

平均的に求められる語学証明は入学試験時にA2レベル、入学時や入学してから1年以内にB2レベルとなっています。期間は取得から2年以内を有効としている大学が多いです。

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声楽の場合はB2の証明を持っていれば困ることはないでしょう。受験の際は志望校のホームページで「Deutschkenntnis」や「Sprachkenntnis」と検索すると詳しい情報を得られます。

 

語学レベル

突然A2レベルやB1レベルといわれてもよくわからない方もいらっしゃるとおもうのでここで語学レベルを解説していきます。

ドイツ語の語学証明はヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)に基づき6段階に分かれており、A1→A2→B1→B2→C1→C2の順にレベルアップしていきます。

それでは各レベルの証明できるドイツ語力を見ていきましょう。

A1(学習を始めたばかりの者・初学者)

・簡単な質問ができ、それに答えることができます。また何かを頼んだり、頼まれたことに対し返答ができます
・簡単な表現や文章で、自分や他の人について書くことができます
・良く知っている事柄についての会話や文章を理解することができます

 

A2(学習を継続中の者・初級者)

・日常でよく使われる文や表現を理解し、使いこなすことができる
・単純な、よくある状況でコミュニケーションでき、日常的になじみのあるテーマについて情報交換できる
・簡単な言い方で、自分の出身地や学歴、身近な状況や必要なものについて説明することができることが証明できます。

 

B1(習得しつつある者・中級者)

・明瞭な標準ドイツ語が使われ、仕事、学校、余暇などの身近な事柄が扱われている場合に、主な情報を理解することができます
・ドイツ語圏を旅行する際に出会うほぼすべての状況に対応することができます
・身近なテーマや興味のある領域について、簡単な表現でまとまった内容を伝えることができます
・自分の経験や出来事を説明したり、夢や希望、目標について詳細に述べることができます。また、計画や見解に簡単な論拠や説明を加えることができます

 

B2(実務に対応できる者・準上級者)

・具体的、あるいは抽象的なテーマに関する複雑な文の主な内容を理解し、自分の専門領域では専門的な議論も理解することができます
・自然に、滑らかに意思を伝え、ドイツ語を母語とする人と、互いにとくに苦労することなく普通に会話することができます
・幅広いテーマについて、明確で詳細に意見を述べ、時事的な問題への見解を表明し、様々な可能性の長所、短所を挙げることができます

 

C1(優れた言語運用能力を有する者・上級者)

・広範囲のテーマに関する、高度な内容の比較的長い文章を理解し、行間に含まれている意味をも把握することができます
・言葉を探しているという印象を与えずに、自然に、滑らかに話すことができます
・社会で、職場で、また学校や大学で、言語を効果的に、柔軟に使いこなすことができます
・複雑な事柄について、明確に、きちんと文章を構成して、詳しく述べることができます

 

C2(母語話者と遜色のない熟練者)

・ドイツ語で読んだり聞いたりすることを、実質上すべて、即座に理解することができます
・様々な媒体から見聞きした情報を要約でき、その際、その内容の根拠と説明を、論理的な叙述で再構成することができます
・自然に極めて流暢に話し、複雑な事柄においても細かいニュアンスを明確に表現することができます

 

オーストリア・ドイツの音楽大学では在学期間にB2レベルの語学力が求められます。つまりドイツ語を母語とする人と、互いにとくに苦労することなく普通に会話することができる語学力が必要です。

 

ドイツ語検定試験

先述したようにドイツ語の語学証明として認められる機関は大学によって異なります。ここでは多くの大学で認められる4つの機関を紹介します。下記に挙げる機関はどれもヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)の各レベルに対応しています。

ゲーテ・インスティトゥート(Goethe-Institut)

ゲーテ・インスティトゥートは、ドイツ連邦共和国を代表する文化機関として、世界各地で活動を展開しています。活動の中心となるのは、海外におけるドイツ語教育の推進と、国際的な協力に支えられた文化活動です。ドイツの文化、社会、政治に関する最新の情報を発信することで、ドイツの全体像を紹介しています。また文化・教育プログラムは異文化交流を促進し、異文化体験を可能にし、人と人とのつながりを強めて国際的な交流をサポートします。

ウェブサイトを参考)

ゲーテ・インスティトゥートは日本で一番ポピュラーなドイツ語検定試験です。また、東京・大阪・京都それぞれに拠点を持っています。試験は日本国内で受験可能です。3つの拠点がありますが、場所によって開催されるテストレベルや日時が違うので気を付けて下さい。僕も留学前に東京のゲーテインスティテュートで試験を受験しました。試験の説明もドイツ語でされて驚いたのを覚えています。

A1の独学勉強法はこちら

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オーストリア政府公認ドイツ語能力検定試験(ÖSD)

ÖSDは、外国語としてのドイツ語および第二言語としてのドイツ語のための国家公認の試験および評価システムです。ÖSD試験は、ドイツ語の言語能力を証明するものとして国際的に認められています。ドイツ語の頭文字であるÖSDは、「Österreichisches Sprachdiplom Deutsch」と「Österreich, Schweiz, Deutschland」(オーストリア、スイス、ドイツ)の頭文字をとったものです。ÖSDは、ドイツ語が複数言語であるという概念を育み、その試験におけるドイツ語の多様性を反映しています。

ウェブサイトを参考・翻訳)

その名の通りオーストリアのドイツ語検定試験です。僕は現在ウィーンの語学学校に通っていますが、語学学校で受験できるのもこの試験になります。日本国内でも受験可能です。

 

TestDaf

TestDaFは、外国人志願者にとって最も重要なドイツ語試験であり、ドイツの大学に入学するための「通過点」です。また、学術関係者は、ドイツの大学での研究滞在の準備のためにTestDaFを利用することができます。

TestDaFの証明書は無期限で有効であり、ドイツ国内のすべての大学で認められています。もう一つの利点は、世界100カ国、500以上のテストセンターでTestDaFを受けられることです。

ウェブサイトを参考・翻訳)

毎年6回試験が行われており、受験日は世界共通です。日本国内でも受験可能です。

 

telc(The European Language Certificates)

telcは、The European Language Certificatesの略です。telc gGmbHは、標準化された語学試験を提供するリーディングカンパニーの1つです。私たちの仕事の中心は10カ国語で90以上の試験を開発・実施・配布することです。近年、非営利団体であるtelc GmbHは、純粋なテストプロバイダーから、より広範な教育プロバイダーへと発展しています。

非営利団体であるtelc GmbHは、その教育活動だけでなく、長い歴史によって高い評価を得ています。telc – language testsの50年間で、私たちはパートナーとともに国際的なネットワークを構築しています。

ウェブサイトを参考・翻訳)

ドイツ発祥の語学検定試験ですが、ドイツ語以外の言語テストも実施しているのが特徴的です。ドイツ国内ではGoethe-Institutに次いで有名なテストです。残念ながら日本で受験することはできません。

 

他にも独検やDSHといった語学検定試験がありますが、証明書がオーストリア・ドイツで有効でない点や日本国内で検定試験を受験できないため今回は省きました。

今回挙げた4つの語学検定試験のうち、僕が最もおすすめするのはGoethe-Institutの語学検定試験です。これまで多くのオーストリア・ドイツの音楽大学の受験内容を調べてきましたがGoethe-Institutの証明書を認めていない大学はありませんでした。

ÖSDやTestDaFも日本国内での受験が可能ですが、Goethe-Institutに比べると開催頻度は多くありません。特にこだわりがなければGoethe-Institutの試験で十分です。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?今回はドイツ語の語学証明についてお届けしました。留学を考えている方はできるだけ早く語学の準備を進めましょう。

A2までなら独学でも十分カバーできるはずです。また、現地の語学学校でよく使用される教科書を使って勉強するのも良いと思います。

 


語学は何より継続すること大事なので始めるのが早い程、現地でのコミュニケーションもスムーズになりますし、留学先での生活が楽しくなります。大学受験は他にやれなければいけないこともたくさんありますが、焦らず一つ一つ準備していきましょう。

schönen Tag noch!